遺稿:さぶろーの結婚と「鉄子カレンダー」


あいこです。
こんばんは。
「鉄子のプレゼント企画」に
たくさんご応募いただきありがとうございます。
現在、応募くださってるのは36名です。
さて!いつもコメント書いてくださる方でまだの方!
いつも読んで下さってる方、
ご遠慮なく書き込んでくださいね。
お待ちしています。
今日、カレンダーの表紙もできました。
明日から印刷してプレゼントに備えたいと思います。
鉄子も
モデルさんになってがんばりました。

さて、さぶろーの遺稿が途中になっています。
少しずつ、また続けていきますね。
今日は鉄子と関係ない話ですが
さぶろーが妻のことを書いていました。
今日、鉄子がウェディングドレス着た写真を撮ったので
その話を載せてみたいと思います。
さぶろーはメモに書いていましたが
この話は
私たち子供は何度も聞かされた話で
少しお恥ずかしいですが
よろしかったら読んでやってください。
——-さぶろー遺稿より—–
妻との出会い
わしと妻は3歳違いである。
最初の出会いは、わしが高校生、
妻は中学生になったばかりだった。
妻はわしの親友の妹で
中学生になったばかりはまだあどけなく
幼い顔をしていた。
親友の家に遊びに行くわしになついて
よく勉強を教えてやった。
活発で
短距離走選手だという妻は
健康そうな少女。
黒髪はつややかに
豊富で
肩の辺りで切りそろえているが
走るとその髪がキラキラとなびいて
印象的だった。

わしの親友である妻の兄とは
しょっちゅう、遊び、
泊まりにも行った。
それが何年も続いた。
そして、わしが高校3年になった有る日、
いつものように、遊びに行き
夜になり帰ろうとしたわし。
玄関に行くが
靴がない。
おかしいな、ここに脱いだはずが。
探すと、家人の置く靴箱の中に
わしの、靴があった。
そんなことがあったある日。
また帰ろうとしたわしの靴がなかった。
親友の妹は自分の部屋で勉強している。
靴のことを聞いても「知らない」という。
おかしいな。と散々探すと
今度は玄関の外の
バケツの中にあった。
親友が「どうも妹がお前を帰したくなくて
靴を隠しているようだ」とわしに告げた。
わしも、あの活発な妹が
わしのことを好いてくれてるとは
信じられず驚いた。

そんな日々の中、
満州から引きあげしていた親友一家の母親が
入院した。
日ごろ世話になっていたわしも
病室によく訪れ、果物などの差し入れをしていた。
そして、ある日
その母親が危篤状態となり
みなで病室にかけつけた。
母親は、もう、虫の息の中
意識ははっきりしていて、
なんとわしをそばに呼び
「さぶろーさん、豊子(妻)のことを
どうかよろしくお願いします」と
手を握り締めてか細い声で言った。
わしは「はい。安心してください」といい
まだ高校生になろうとしていたばかりの妻は
ほほを赤くしていた。
母親は
少し、はっきりし半時ほど、思い出話をしたあと
急に呼吸が乱れ始めまもなく息を引き取った。
皆に見守られ。
しかし、、まだ若い死だった。
満州からの引き上げで苦労して
体の弱かったその人は長生きができないことを知り
日ごろから、娘のことを心配し
息子と親友であるわしに、いまわの際に
娘のことを託したのだった。
その病室で、わしは
妻と婚約した。
わしが、山口から宮崎の大学に行っても
文通を続け
妻はよく、兄と一緒に宮崎まで遊びに来た。
結婚は
わしが大学を卒業したとき。
妻はミッション系の女学校を出て
保母さんをしていて
洋裁も編み物もできる頼りがいのある女性になっていた。
結婚式のとき、
まだ卒業したてのわしに金はなく、
妻は、後妻にきた義母に
母親らしいことをしてもらえず
着物もなく
式の間際まで自分の着るワンピースを
白い木綿のレースの生地で
一生懸命縫っていた。
質素な式で
ご馳走もなかったが
家族友人に祝ってもらいよい式だった。
そして白いレースのワンピースの妻は
とても美しく、慎ましやかで
わしの心に光ったままその映像は今もよみがえる。

(新婚旅行)
——————————
さぶろーの
一番、好きな思い出話です。
今日の鉄子のカレンダー用の写真で
つい思い出しました。
しかし、
その慎ましやかだった妻は
いつかさぶろーを尻にしく
恐妻になりました。
今日はパピヨン話でなく
恐縮です。
子犬の鉄とさぶろーの話は
まだまだ続きますので!
あいこ

——————————
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12 Responses to 遺稿:さぶろーの結婚と「鉄子カレンダー」

  1. より:

    さぶろーさんの日記、夏目漱石みたいな文豪の物みたいです。
    意外な出会いにびっくり
    ウェディングワンピース?写真はないのですか?
    見たみたいな。
    ↓アハハ、一瞬「お父さんの靴下」がプレゼントかと思ったよ。

  2. らぶりん より:

    くお~っ!あいこさん、今日は嬉し恥ずかしさぶろ~さんの奥様との出会い♪
    ドキドキワクワク、胸キュンになっちゃいましたよ~(*^_^*)
    さぶろ~さんを帰したくない奥様の気持ち・・・
    はぁ、私もこんな気持ちになってみたいものです☆
    さぶろ~さんが奥様をとっても大事になさってた様子がひしひしと伝わってきましたよ♪
    鉄ちゃんのウエディングドレス姿がとっても可愛いです☆これもカレンダーの1枚になってるんですかぁ(^o^)/

  3. より:

    さぶろーさんと豊子さんの出会い~結婚のお話は素敵ですね、
    感動で胸がいっぱいになりましたよ(^-^) 今は天国で仲良くしてるでしょうね、
    鉄ちゃん可愛いですね、
    白は女の子(女性)がとても綺麗に見えるそうですよ、
    とても素敵です、
    もう少しでクリスマスだね~(^-^)
    楽しみです。
    幸です

  4. パピ+ヨン より:

    さぶろ-様と豊子様の、なれそめ大変ステキですぅ。
    鉄子ちゃんの、ウェディング姿・・・やられました。
    めちゃ可愛いです。うちの嫁に是非・・・・の気分になりました。

  5. ままりん より:

    こんにちは。
    すごくステキなお話しですね。
    胸がキュントしてウルウルしながら読みました。
    お母様が靴を隠すいじらしさが可愛くて良いですね。
    義母さんに何の花嫁支度をしてもらえなくて辛く悲しかった事だろうと思うと涙がでます。
    でも初恋のさぶろーさんと御結婚されてあいこさんや、妹さんを授かって素晴らしい人生を過ごされたのではないでしょうか。
    早すぎる逝去ではありましたが実りの多い一生だった事と思います。
    今はさぶろーさんと一緒にあいこさん御一家と妹さん御一家を見守っていらっしゃいますよ。
    鉄子ちゃんの花嫁姿はすごくステキです。
    惚れ直してしまいました。

  6. まままま より:

    さぶろーさんの文章の書き方が上手いわー。
    なんかねー 涙が出てきましたよ。
    さぶろーさんと豊子さんのステキなお話で。
    私の両親も父が親友の妹と結婚したんです。
    でも母は「結婚前に私はあんな人いややわと言ったのよ」と笑って言ってます。
    そのへんは豊子さんとはまったく違ってて、
    豊子さんは帰ってほしくない人の靴をかくすかわいい女性だったんですねー。

  7. さぶろーさんと奥様との馴れ初めに感動しました!
    素敵です!

  8. うらら より:

    こんばんわ
    あいこさんの優しい言葉に甘えて私も参加します!
    私は赤い骨で!!
    花嫁姿がビューティフルな鉄子ちゃんよろしくね
    さぶろーさんの思い出話は初めて知る部分もあって何度も読み返しました
    豊子さんの輝く笑顔素敵ですね
    私は父から母との馴れ初めを聞いたことがありません
    父はもう他界してしまったので聞けずじまいです
    だから重ね合わせて読ませてもらいました

  9. リブラ より:

     いつも拝読しております。所用で隣国から読みに行っております。
     娘と継母という関係は難しいようで、私の母もそう言う関係でした。たまに、愚痴をこぼすことがありました。豊子さんのそう言う心情をさぶろーさんは受け止めて良い家庭を作られたのでしょう。
     今回は良いお話しでした。
     私も老境に達し、子供の頃から犬を飼いたかったのですが、とうとう実現できないままで終わりそうです。(涙)

  10. リーリママ より:

    サブローさんとお母様の出会いのお話は爽やかなお話で良いですね。
    亡くなられた豊子さまのお母様もサブローさんの人柄に安心してお願いされたと思います。
    素敵なご夫婦だったんでしょうね。
    鉄子ちゃんのウエディング姿がカレンダーに載るならどうか当たりますように。

  11. ラッキーママ より:

    ふうむ、親友の妹さんが豊子さんだったのですね。時代によって恋愛のパターンも少しずつ違うようですね・・・ずいぶん若い時に結婚相手が決まったのですねぇ。初恋=結婚という勢いなのですねぇ。私も豊子さんの手作りドレス拝見させていただきたいでっす!

  12. すーさん より:

    さぶろーさんと豊子さん、ほんとうに素敵…。
    靴を隠しちゃうおちゃめなところ、黒髪の美しさ。胸に染み入るお話でした。
    男の人のほうが数段ロマンチストってほんとですよね^^
    ところで迷いに迷った結果、3番 レオ隊長 に、いたしましたっ!!
    鉄子ちゃん、頼むーーーっ!!

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