救急車で(あの日のさぶろー)

またあの日へ戻ります。
2010年5月19日午前11時50分頃。
整形外科の帰り道、車椅子で交差点に差し掛かったとき
さぶろーはいきなりひきつけを起こしました。
今まで介護してきたなかでひきつけを起こしたことは
ありませんでした。
突然さぶろーの両足がバーンと突っ張って
車椅子の足置きから飛び出し
アスファルトの地面に投げ出され、
左手は車椅子に固定した杖を握り締めました。
右手の記憶はありません。
両足が地面に突っ張ってしまったので靴が脱げ
交差点の真ん中に落ちてしまい、
そんなことはどうでもいいと思った私。

(後日行って撮った写真。夜の交差点)
その時点ではたださぶろーが血圧が下がって
気を失っただけと思ったのですが
足のツッパリが酷くてただ事ではないと思いました。
「じいちゃん!しっかりしてー」と泣きながら車椅子を
交差点の向こう側へ押そうとしました。
しかし、足が地面に突っ張ってしまい、前に進まないのです。
仕方なく、前の車輪を浮かすような感じで
後ろに必死で引っ張って歩道に戻りました。
尋常では出ない力を出したようで
私はそのとき左足を痛め、今もまだ治っていません。
その時点でさぶろーの顔は目を剥いて口をあけたまま
息をしてないような状態でした。
さぶろーのあんな顔見たことないのです。
本当に恐ろしかったです。
そしてまさに交差点の入り口へ引き戻した私の右に
若い男性Aさんが自転車に乗り交差点に差し掛かっていました。
さぶろーは腰を車椅子に安全ベルトで固定していたので
傍目から見たら、具合の悪い老人をただ乗せているだけに見えたと思います。
私は携帯で話をしてるAさんに「すみません!救急車呼んでください!」と叫びました。
Aさんは「大丈夫ですか!待ってて!」と救急に電話をはじめてくれた。
私は自分はさぶろーの手当てをしないといけないと判断。
風の強い日だったので、体温が下がってしまうと思い、
自分の持ってきたカーディガンや着ていた長袖と上着も脱いで
さぶろーの上半身を覆いました。
そして風の吹く方向へ私が背を向けガードしました。
その男性Aさんもご自分の服をかけてくれた。
しかし救急車はなかなか到着しない。
男性は「急いで」と緊急であることを何度も叫ぶ。
その横で、さぶろーは段々呼吸が確認できなくなっていく。
頭がどんどんのけぞって、私は自分の体でそれを支えながら
「じいちゃん!死んだらダメー」と
泣き叫んでいました。
どなたかがさぶろーの靴を拾って
私のカバンの中に入れてくれました。
でも、それが男性だったか女性だったかもわかりません。
少しずつ、さぶろーを遠巻きに取り囲む感じで人が立ち止まり
たくさんの人が私達を見ていましたが
そのAさんは、まるで家族のように私たちに寄り添ってくれた。
なんども「がんばって!もうすぐ救急車が来ますよ」と
さぶろーに呼びかけてくれました。
私は時計をしてなかったので時間が全くわからず
一体どれくらいさぶろーは意識を失っていたのか
わからない状態。
正午12.01(携帯履歴より)
さぶろーを支えながら携帯で自宅に連絡し
救急車で搬送したら、その病院にさぶろーのかばんを
持ってきてもらうように主人に連絡。
「いつもとちがって、泣き叫んでてただ事じゃないと思った」と
後で聞くが何も覚えていないのでした。
しかし、その間に「後でお礼したい」とAさんに連絡先を聞き
遠慮されるAさんからなんとか携帯番号とお名前を教えてもらった。
一体いつになったら救急車が来るんだと
Aさんが心配し始めたとき
やっと、救急車の音が聞こえてきました。
とても安堵したのを覚えています。
さぶろーは意識のないまま、担架に乗せられましたが
杖を掴んだ左手が硬直して引き剥がすのが大変でした。
自分も行こうかと申し出てくださったAさんに
お礼を言って車椅子と共に私は救急車に乗り込みました。
長くなったのでまた、次回へ続きます。

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———————————————
昨日、さぶろーの介護用品、すべて返却しました。
大きいトラックに最初はベッド、最後に車椅子が乗りました。
回収の途中で、何度も「歩行器買い取ります、置いていって」と
言いそうになりましたが、
必死で我慢しました。
その時の緊張で体がバリバリに痛い。
扉が閉められトラックが動き出すとき、
すごい虚しさに襲われたのですが
さぶろーのものを乗せたトラックが見えなくなるまで見送りました。


鉄子は
じいたんの部屋に入ってはいけないと言うのに
ベッドがなくなったことに気づいて
ウロチョロしていました。
ベッドのあった場所で眠ろうとするので
鉄子のベッドを持って行ってやりました。
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16 Responses to 救急車で(あの日のさぶろー)

  1. まろんぱんな より:

    お世話係さん、ごめんなさい。
    やっぱり涙がとまりません・・・
    さぶろーさんの急変、どれほど驚き慌てられたことでしょう。
    ただ、Aさんが家族のように傍で励ましてくださったこと、お世話係さんが一人でなくてよかったと心から思います。
    とうとう、さぶろーさんの介護用品なくなってしまったんですね。
    鉄子ちゃんも寂しそうです・・・
    でもきっと、さぶろーさんはお世話係さんや鉄子ちゃんの傍で笑ってくれてる気がします。
    お世話係さん、無理をして体調を崩されませんように。

  2. ままりん より:

    こんにちは。
    思い出すだけでお辛いのに事後報告して下さってすみません。
    どうか無理なさらないで下さいね。
    読む度に涙でまえが見えなくなって鼻をすすりながら拝見させていただいてます。
    お体に気をつけてぼちぼち更新してください。

  3. ゆんこ より:

    おはようございます。
    これから外出しないといけないのに、どうしてもこちらにお邪魔しないとと思って、涙を流しながら読ませていただいています。
    Aさん、お若いのにしっかりされた方ですね。そういう方と出会われたのは良かったと思います。
    鉄子ちゃんの寂しそうなお顔に、また涙が出ます。

  4. みえ より:

    お世話係さん、本当に大変でしたね。
    涙が止まりません。
    Aさんがいてくださって本当によかった。Aさんありがとうございます。
    さぶろーさんの介護用品がなくなって、寂しいですね。やっぱり辛いですね。
    鉄ちゃんも寂しいよね。小さなからだでいろいろ感じているんだと思うと、涙がでます。
    お世話係さん、左足は大丈夫ですか。
    どうかお体を大切にしてください。

  5. べりぃー より:

    読みながらその光景が目に浮かんで来ました。
    Aさんがいてくれて良かったですね。
    救急車が来るまでの間、心強かったですよね。
    本当、良い方が偶然通りかかってくれてよかった。
    ひきつけは、さぞかし驚かれた事でしょう。
    私がお世話係さんの状況になったら、焦りすぎて救急車を呼ぶ事すらわからなくなってしまいそうです。
    鉄ちゃん、ベットが無くなっても、ベットのあった場所で寝たがるんですね。
    おじーたんを待ってるんですね。(>_<)
    もし叶うなら、もう一度だけでも一緒に寝かせてあげたかったですね。
    鉄ちゃんのピンクのベットを見るとおじーたんがPC画面を見ながら、ベットを選んであげていた姿を思い出し、涙がでます。
    まさかあの時は、最期のプレゼントになるなんて思ってもみませんでしたね。

  6. シロクマ より:

    こんにちは
    突然の出来事だったんですよね
    お世話係さんがどれほど驚いて動転したか不安だったかと思うと私も胸が痛くなります。
    Aさんのような人が近くに居合わせてくれた事がその時の救いですよね
    やはりお世話係さんとさぶろーさんは親子だから当たり前なんだけれど殊更、絆が強かったと感じます。
    ベッドと車椅子がなくなってお部屋がガランとしましたね
    鉄ちゃんは鉄ちゃんなりに時間をかけてさぶろーさんとお別れしてるのかな
    さぶろーさんのお気に入りだったランプ素敵ですね
    なんだか、さぶろーさんを思わせますね

  7. lana より:

    鉄ちゃんには、今いるべき場所がどこか
    わかっているんでしょうね
    愛する人の残り香は、少しずつ消えていきます
    今のうちにできるだけじいたんの匂いを蓄えておきたいのでしょうか
    でもね、何もしなくても、何もしなくても、じいたんはいつも、そばにいてくれるんだよ
    鉄ちゃんとお世話係さんのことが大好きだからじいたんは、、二人が悲しまないように、いつもそばにいてくれるよ

  8. ぷくたま より:

    ひきつけを起こしたさぶろーさんを目の当たりにして、お世話係さんの恐怖はどれほどだったか。。
    尋常じゃない力がでたり、左足をいためしまったことからも必死さが伝わってきます。
    若い男性のAさんが助けてくれて本当によかった。
    わたしからもお礼を申し上げたいくらいです。
    今日はベッドなどを返却されたんですね。
    鉄子ちゃん、じいたんは来てくれたかな?
    ランプ、きれいですね。
    左足がよくなりますように。ぽち。

  9. お世話係 より:

    まろんぱんなさん、いつもありがとうございます。
    また、辛い思い出に一緒に引きずり込んでしまい申し訳ない。
    なんとか記憶の糸をたどってさぶろーの生きた日を記したいと思います。
    介護用品が無くなってがっくりきて、さみしくなりました。
    でも、こういうことを耐えていかないといけないですね。
    介護の日々が終わってしまって・・・
    もっとちゃんと介護してやりたかったです。
    いつも応援ありがとうございます。

  10. お世話係 より:

    ままりんさん、読んでいただきありがとうございます。
    コメントも残してくださり本当に感謝です。私、辛いけれど、書くことでかなり落ち着いてくるのでだいじょうぶです!
    いつも心配かけてすみません。
    なんとか頑張って書き終えたいと思いますので、どうかまた応援宜しくお願いします。

  11. お世話係 より:

    ゆんこさん、お出かけ前にごめんなさいね!大丈夫だったですか?
    泣かせてしまってすみません。
    なんか明るく書くことができなくて。。。
    Aさんがおられたのは本当に幸いでした。
    救急車呼んだだけでどこかに行かれたら
    本当に不安だったですね。
    さぶろーもすごく感謝していたものです。

  12. お世話係 より:

    みえさん、毎日暗くさせてごめんなさいね。
    もう少しお付き合いくださいね。
    さぶろーの日々、簡略しようと思ったけどできませんでした。
    頑張って書くのでまた応援してください。
    鉄子はやはり、じいたんを探していて
    体調もいまいちです。
    私の足は、時々痛むくらいに良くなってきました。
    いつも心配してくださってありがとうございます。

  13. お世話係 より:

    べりぃーさん、ありがとう。
    頂いたお花は綺麗にさぶろーを見守ってくれていますよ。
    お花本当にうれしかったです。
    Aさんはいまどき珍しいといったらなんですが、すごい若者でした。
    お顔も覚えてないんだけど、自転車レースとかのようなスウェットのような服でした。
    今度連絡するつもりなんですよ。
    Aさんがいたので
    私はさぶろーの顔を見ていられたけど自分の携帯でやったらそんな余裕無かったですね。
    アー良かったと思いました。
    鉄子、じいたんを探していますね。
    困ったなあって思います。
    あのベッドが最後の買い物になりましたが
    もっと、洋服とか、カメラのレンズとか鉄子の為に欲しがってたじいたんでした。

  14. お世話係 より:

    シロクマさん、いつもありがとうございます。
    交差点の引き付けは本当に恐ろしいものでした。
    じいちゃんを死なせたらいけないという思いだけでした。
    母の命日が地近くて、そういったことも気になってしまい、母に「まだ連れていかないで」とか頭の中で言っていました、
    そうとうのパニックだったです。
    Aさんがいて本当にたすかりました。
    今度連絡とって主人とお礼に行くかどうかしようって考えています。
    ベッド無くなってもじいたんの寝ていた場所に行くので鉄子が心配です。
    ランプは私が6年前に買ってあげたんです。
    かわいいでしょ?

  15. お世話係 より:

    lanaさん、いつもほんとうにありがとうございます。
    鉄子はベッドがなくなってもじいたんの寝てた位置に行きたがるので困ります。
    良く様子を見ないと体調悪くならないか心配です。
    実は、さぶろーがもういけないとわかった日に鉄子はまた下痢になって、まだ完全に良くなっていないんです。
    病院に通ってますが・・・
    じいたんに、早く鉄子の下痢が治るように頼んでいるところです。
    きっとそばにいて見てくれていますよね!
    いつも、応援ありがとうございます。

  16. お世話係 より:

    ぷくたまさん、いつも本当にありがとうございます。
    ぷくたまさんの大事にされていた猫ちゃんとさぶろーの名前が同じであったという、エピソードをさぶろーは良く話していました。
    それを思い出します。
    ぷくたまさんのブログでお庭に大事にされている猫ちゃんの写真を見て、「えらいね、ぷくたまさんは」って言っていました。
    ぼのちゃんのことも、毛並みがいいなあー、男の子らしいなあって誉めていました。
    今も、きっとぼのちゃんみにブログにお邪魔してるでしょう。
    私の足は時々痛む位に良くなってきました。
    心配くださってありがとうございます。
    ランプはさぶろーが以前入院した病院の売店で売ってたんですよ。
    私も好きなものです。
    ぷくたまさん、いつも応援ありがとうございます。

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