あいこです。こんばんは。
さぶろーは以前、犬を何度か飼っていたらしく
犬に関しては、勝手に自信を持っていました。
私たちも、それを信じて疑わず。
きっと子犬をうまく育てていくと
思っておりました。
さぶろーは妹の家のシェットランドの花ちゃんを
「甘やかしすぎだ。もっとびしっとしつけしなきゃ」などと
偉そうに言っていたものです。
が、実際、子犬がやってきた夜から
さぶろーのてんてこ舞いがはじまるのです。
——-さぶろーの遺稿より——-
鉄との初めての夜
さて
今日から鉄と一緒に楽しく過ごして行くんだと思ったわし。

タクシーで家に着くなり
ケージを組み立て鉄の寝床を作る。
寒くないように毛布やバスタオルを入れて、
トイレも設置した。
帰ってすぐに
ペットフードをふやかしたものを与える。
鉄はすぐにぺしょぺしょと平らげまず安心。
しかし、いきなり、
じゅうたんにしっこをしている。
まあ、初日から無理であろうと
暖かく見守る。
そして長女がそうじしているわきから
鉄は、もう、その手にじゃれ付いている。
かなりのお転婆だ。
長女はここの家から歩いて20分くらいの場所に住む。
晩御飯の用意もあるだろう、遅くなる前に帰っていいよというが
長女も鉄かわいさに
なかなか帰らない。

(まだ余裕の笑顔です、)
「かわいいかわいい」としきりになでている。
「でも、鉄か・・・」とまだ名前について文句言っているが
わしは変えるつもりは無い。
しかたなく長女も「鉄ちゃん」と呼んでいるのを聞く。
遅くなり、長女が帰るとき
ケージ全体に毛布をかけて
鉄を寝かせてくれた。
鉄も疲れたようで素直に眠りに付いた。
長女が母犬の心臓の音に似た
時計の音が子犬を落ち着かせるというので
小さい目覚ましをタオルでくるんで
鉄のそばに置いてやった。
「いいなあ、おとうさん犬飼えて」という長女が
帰った後も、鉄はこんこんと眠り続けたので
わしも横の自分のベッドでしばらく本を読んで
眠りに付いた。
そして、2時間くらいたったころ、
急に鉄がくんくん鳴き始めた。
ペットショップの店員が
「初日は鳴きますが一人で寝かせてください。
翌日からは鳴かなくなります」と言っていた。
そんなの、わしがびしっと言えば
静かになるさと思っていた。
しばらく、くんくん鳴くも
どんどんひどくなって
きゅーんきゅーんとかなり大きい声になってきて
わしはもう、寝ていられない。
起きて鉄のケージをそっと覗く。
「あ!目が合ってしまったぞ」と思った。
とたんに鉄はかけよって
ケージの隙間に
鼻をこすりつけてわしを呼び
真っ黒な瞳でじっと見る。
「静かに寝なさい!」と少し厳しく言ってみた。
鉄はうれしそうにしっぽ振っている。
じゃあ、泣き止んだから又寝ようと思ってベッドに入ると
またキューンキューンとはじまる。
もうどうしたらいいかわからなくなり
長女に電話しようと思うも
夜中過ぎているので我慢。
もう一度、ケージを覗くと
鉄がタオルにしっこをしてて
きもちわるそうだ。
わしは、ケージの入り口を開けて
バスタオルを変えてやろうとした。
すると、鉄はいきなり、ケージから飛び出し、
リビングを駆け回り始めた。
しょうがなく電気を赤々とつけて
深夜に子犬を追いかけるわし。
まだ生まれたばかりなのに
すばしっこい。
つかまらない。
もう、わしは疲れて床に座り込むと
鉄が戻ってきて
わしの丹前の中にもぐりこんだ。
そして、柔らかい体を
わしに預けて眠り始めた。
母犬と別れて
まだ日が少ないのだから
仕方ないことであろうと
わしも少し、不憫になる。
そしてそのまま、朝まで
わしはベッドによりかかり
鉄を抱いて仮眠を取ったのだった。

眠れずに頭が朦朧とする中
「そうだ!犬笛を買ってこよう」と
思いつき、
少し気持ちが楽になっていったのだった。
だが・・・・
(まだまだ続く)
———————–
鉄子でっす。
犬笛!!
持ってるよ。

大事にしてたけど
そうかー
鉄子が子犬のときからあるんだね。



今日、久々に
おかあさんが犬笛を吹いてくれたよ!
鉄子、ベッドで寝てたけど
バビューンって飛び起きて
おかあさんのところに走って行ったよ。
その後、何回もお母さんが呼ぶから
最後のほうは知らん振りしてたら
おかあさん、しょんぼりしてたから、
また、明日遊んであげるね。
鉄子でしたー