あいこです。こんばんは。
昨日からさぶろーの遺稿を掘り起こして
日記にしています。

文章のおかしいところなど
訂正しながら
懐かしい父の様子を思い出します。

(妻を亡くして1年くらいたったころ。)
——さぶろーの遺稿—–
盗難事件
妻が亡くなって欝になり
周囲の励ましを受けながら頑張ったが
わしの欝っぽい症状はやはり治らなかった。
色々頑張ったのは
ジグソーパズルをいっぱい買っては
孫と一緒に作ったり。
碁会所に通ったり。
ドールハウスの通販を買い込んで
作ろうとした・・・などなど。
そして、決定的に打ちのめされる事件がおきる。
下関の妻の墓に参りに行った帰り、
行きは新幹線で行ったが
帰りは、夜行列車にしたのだ。
旅好きのわしは、
夜行寝台に乗るのが昔から好きだったが
妻の病床に付き添うころから
どこにも行かなくなっていた。
久しぶりに
ウィスキーと、
ちくわをつまみに買い乗り込んだ夜行寝台。

(確か、さぶろーはこういうのを持っていました。)
窓辺の夜景を見ながら
ウィスキーでわしは泥酔状態。
寝台車も1番下の段であった。

朝、横浜あたりで目を覚ます。
周りがざわついている。
「財布が無い」「やられた」と
数人が騒いで、車掌に詰め寄っている。
わしは、「みんな馬鹿だなあ、盗まれるなんて、、、
酔って寝てるのが悪いんだ」と余裕で笑っていた。
が!なんと!
壁にかけていたズボンのポケットの財布がない!
わしの財布がない。
いつもより余分に財布に入れていて
15万は入っていた。
娘にしかられる!(長女のほう)
しかもあの革の財布は長女が買ってくれた新しい財布。
わしも騒いでるみんなに混じり
車掌に詰め寄った。
しかし、どうしようもなく
結局、東京駅の警察で事情を説明。
盗難届けを出す。
警察の話だとその当時有名なスリで
夜行寝台、下段でいびきをかいて酔って寝てる客が
多く狙われてるということ。
まさに、それはわしだった。
とぼとぼ帰宅し、
長女に報告。
ナイフなんかで切りつけられなくてよかったと
慰めてくれたのでほっとした。
その後、名古屋駅のトイレで
空っぽのわしの財布が見つかった。
中の会員カードでわしのものとわかったのだが、
縁起が悪いので使うなと長女に言われ
新しいのを買ってもらった。
そして「もう絶対に夜行列車はだめ」と烙印を押されたのだ。
その事件の後
そのときの恐怖で
わしはますます、欝っぽくなって
自信が無くなった。
そんなときに
犬を飼おう!と子供達に言われ、その気になる。
そして、犬を飼うための家を探しはじめた。
なるべく長女家族のマンションに近い場所で
便利なところがいいなと
不動産屋を回った。
犬を飼う!なんとわくわくすると思った。
やはり子犬から飼って
しつけをしっかりして
名犬に育て
みんなに自慢したい。
そう思ったあの日。
(さぶろーの遺稿の下書きより)

(今日の鉄子、らぶりんさんにいただいたウサギのお洋服です。)
じいちゃんは、
名犬にしたかったらしいよ。 (母語る)
(さぶろーの遺稿、続きます。・・・)

にほんブログ村