「パピヨン鉄子物語 その6」
鉄子と父のはじめての夜
ちょっと時間がたちました。
前回までに、なんとか鉄子を迎えることが出来たことを
書きました。
その時のことを父が書いたものが残っています。
———-父が書いたもの——————-
長女が帰った後、子犬に
鉄!と呼んでみる。
まだ名はわからないだろうが
ちらっと見上げるつぶらな瞳が本当にかわいらしい。
そしてはじめて一緒に過ごす夜がやってきた。
ペットショップの店員にしつけのために「一緒にお布団で寝ないで下さい」と言われた。
「初日の夜が大事です。心を鬼にして」とも。
そこで、寂しくないように新しく購入したケージを私のベッドの側に並べておいた。
しかし!その日は1晩中くんくん鳴き続けた。
長女が自宅に戻るとき、「母親の心臓の音に似てるから」とかいって
目覚まし時計をタオルで包んでケージに入れていったが何の効果もない。
私はくんくん泣くのがかわいそうで
気になって結局、朝まで一睡もできなかった。
翌朝ケージをあけてやると
飛び出た鉄は私の膝に飛び込んできて甘えて離れない。
この感触に感動する。
——————————–
(ここから愛子です。)
鉄をタクシーで連れ帰り
ケージを組み立て
下に防水シート
新聞紙やタオルをしいて
寝床の用意をしました。
鉄はまったくこわがる様子もなく
父の家の1階部分をすべて点検。
それも高速で走り抜けて
なかなかつかまりませんでした。
玄関でさっそく
おしっこ。
あーおしっこのしつけはどうするんだろうと
私はここで、まず
不安を覚えました。
果たして父にしつけが出来るのか???
おしっこの後始末してるうちに
鉄は、私のかばんに登って
その横にある雑巾を入れてた木箱によじ登っていました。
すごい、もうこんなことできるの?
そしてペットショップからのダンボールに入ってた
シートにおしっこしてて
そのにおいをかいでいました。
(あれ?この頃からカメラ目線!じゃないのー)
片づけをする私について回って
足元にまとわりつく可愛い鉄でした。
しかし踏んじゃいそうで
父に「こうなるから気をつけて歩かなきゃ駄目だよ」と
教えてやりました。
父はただ、目を細めて
その様子を見ていて
ほんとに満足そうでした。
そして
はじめてのご飯をあげることになり
ショップでもらって帰った缶詰を開けました。
食べるのか?
心配で見守る中
鉄は小さい舌で上手に
ペチョペチョとショップで指導された量を食べました。
はじめてのご飯はこんな風にうまくいきました。
ご飯も済んだし、
寝床も作ったし。
鉄はお腹がいっぱいになって
ケージの中でまどろんでいるし
「私は家に帰っても大丈夫か?」と
父に聞くと
「ああ、犬のしつけならまかせておけ。
鉄は名犬にしてやる。
最初はきびしくしなくちゃいけないんだ」
とすんごいえらそうなこと言ってました。
父がえらそうなことを言えたのは
この日が最後でした!
(おばちゃん、明日も来てねー) 鉄
(もちろんー可愛い鉄に会いにくるよ) 私
なので
私はちょびっと聞きかじった「時計の音聞いて子犬が落ち着く」のを
思い出して時計をくるんで
ケージに入れてやり
可愛い寝顔を見てから
自宅に歩いて戻りました。
そして家に帰ってから
妹や友人に「子犬飼いましたーわたしは鉄でしゅー」と
なぜか赤ちゃん言葉の写メールを送っておりました。
翌日から父と鉄子の心温まる穏やかで幸せな生活が
はじまるはずだったのですが!!!
んがーーー!!!
またしても大変なことに。
続く・・・
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