「パピヨン鉄子物語 その2」
パピヨンにたどり着くまで
妹の家のシェットランドシープドッグの花ちゃんが
父になつき
それを喜ぶ父の顔を見て
私たちは犬を飼う事をすすめました。
父は下関に住んでいた若い頃より
犬を飼っていたらしく
たいそうな自信を持っておりました。
とてもかしこい犬だったらしく
自分がしつけをしたと言っていました。
今となっては真実かどうかは闇の中ですね。
きっとその犬がもともと賢かったんだと
私は思っています。
何をしても母を亡くした心の穴を埋められなかった父が
「そうだ!子犬を探そう!」
この思いだけで
急激に明るくなったことに
私たちは安堵しました。
そして妹が花ちゃんを迎えたショップに頼んで
同じ親から産まれたシェットランドシープドッグの
子犬を迎えよう!
それがいい!と無謀なことを考えて
目をキラキラさせて
饒舌になる父でした。
しかし
父になついた花ちゃんですが
かなりの体重があり、
おとなしい性格でしたが
お散歩では父は引っ張られていました。
そしてある日、父は花ちゃんのお散歩中に
転びそうになったことから
「やはり犬は無理かも」と
また暗くなったのです。
まったく・・・
ちょっとしたことで急に気分が落ち込むので
それに気づいてやって
対応するのが大変でした。
父はやはり「犬はじいちゃんのような年寄りには無理だ」と
言いはじめ
急に
「インコを飼う!」といきなりの方向転換。
その当時、私が飼っていたセキセイインコを
見ていたからでした。
しかし、私は最初に飼ったセキセイインコを
病気で亡くしてから神経質になって
その当時、自宅から電車で1時間半もかかる鳥専門の病院に
連れて行き、鳥のえさも温度も湿度も異常なまでに管理して飼っていました。
小鳥が病気になるとまた大変だと言うのは
身にしみてわかっていました。
私の考えからすると
父のように、大ざっぱな人に飼い方に細かい注意が必要な小鳥は
絶対に無理!と思っていました。
父には飼わせられないと思い
鳥の病院は数時間の待ち時間が必要だし
毎日、清潔にして日向ぼっこして・・云々
(私、鳥のこと話すと長くなるのです)
とにかく、たいへんなんだよ!と父を説得。
そこで父は「わかった、じゃあ、金魚にする」と
これまたあらぬ方向へ考えが行くのでした。
一度は犬を飼うことに希望を持ったのだし
金魚は可愛いけど
やはり話し相手としてはちょっと無理があるよねと思って
「では、違う種類の犬にする?
おとなしくて小さい犬は?」
と私が言うと
父が「そうだ!柴犬は?じいちゃんが昔買ってたのは柴だった」というので
今度はご近所の柴犬成犬を見に行きました。
近所で飼われていた柴犬と豆芝を見たのですが、
やはり体重がかなりありまして
動きも活発。
飼い主さんのお話を聞いただけで
またしても父は
「飼いたいと思った柴犬もだめだ
もう、何も飼わなくていい、
もうじいちゃんなんて、いつ死んでもいいんだ」と
この世の終わりのように落ち込むのでした。
あああ・・・やっと
ワンコを飼うと言う気持ちになっていたのにと
私もがっくりきました。
しかし、
もうこうなったら
何が何でも犬を飼ってもらわなくっちゃと
私も必死になっていました。
そこで
犬の本を買ったのです。
それにパピヨンが載っていたのでした。
その当時、まだインターネットはあるけど
本屋で本を買って調べると言うことをしていました。
父が「パピヨンは顔がシェルティに似てる、
そしてマリーアントワネットや貴婦人が飼っていた高貴な犬なんだと!」と
本を読んでうれしそうに言っていました。
私がパピヨンとネットで検索すると
「従順な性格、手入れが簡単、しつけがしやすい、
お年寄りでも飼える、大体3キロ前後」などなど良いことが書き連ねてありました。
確か本にも同じようなことが書かれていたと思います。
その話を父にしてやると
父は
「じゃ、じいちゃんはパピヨンを飼うよ!」
と満面の笑みで喜んだのでした!
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後に発覚するのですが・・・・・
鉄子はパピヨンの説明書とおりの「従順、しつけがしやすい、高貴」とは
程遠いワンコでした!!
え?なんのことかしら?
そのお話ってわたくしのことですの??
わたくし、高貴な春の女王ですのに・・・・
鉄子
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父は飼う犬はパピヨンと決めました。
が、しかしその前に犬を飼える家探しが必要でした。
続く
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