「パピヨン鉄子物語 その56」
さぶろーの遺稿・クリスマスの話
今日も用事で時間が足りなくなりましたので
父の遺稿を引っ張り出してきました。
これから鉄子と、父の伝説のクリスマスコスプレのことを
書こうと思っていますので
その前に父のクリスマスの話を載せてみますね。
また、ちょっとカッコつけて書いてますけど
母の思い出にもつながるからであろうと思います。
鉄子は出てこないんですけど・・・
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(2009.12月の文章で、父亡き後
パソコンから見つけた文章)
「サンタを信じた少女」
わしは長女が生まれ
サンタのこと信じている間は
クリスマスには
枕元に大きい靴下を置いた。
、
また、サンタに欲しいものは何かなど
手紙を書かせたりしていた。
妻も娘には夢を持ってもらいたくて
一緒にクリスマスは
色々と工夫して
貧しいながらも
キラキラとした想い出を
作ってやりたがった。
たとえその月のわしの小遣いがなくても
娘にはクリスマスケーキと
プレゼントを。
もちろん、わし達も
楽しみながらクリスマスを過ごした。
特に妻はミッション系の女学校を出たので
クリスマスには教会のミサに行く。
わしは、代々の仏教だが
その日だけはステンドグラスの光がさす
教会へ連れ立っていった。
賛美歌を歌う妻はまだ若く、
透き通った声。
その帰りに娘を連れてデパートへ。
その日はわし達は有る計画をしていた。
まだ、保育園に行きはじめたばかりの長女は
サンタを信じていたので、
欲しいものの手紙にままごとの
キッチンセットの絵を描いていた。
その当時、そのおもちゃはぜいたく品で高かった。
わしはタバコを我慢して金をため
デパートで予約していたのだ。
そしてその日、わし達の計画は
デパートにいるアルバイトでおもちゃ売り場を歩いてるサンタに頼み
娘にプレゼントを渡してもらうというものだった。
赤いリボンをかけたおもちゃのキッチンセットを
アルバイトサンタに渡し、「あそこにいるおかっぱの
女の子にわたしてやってくれ。
名前はあいこだから」と頼み込んだ。
その気のよさそうな青年は
少し「メリークリスマス!あいこちゃん!」と
練習をしてから
娘のほうに近づき
話しかけた。
わし達は物陰からそのようすを
わくわくしながら覗く。
案の定、娘は口をポカーンと開け
顔を真っ赤にしてサンタを見つめていた。
そして、渡してくれるだけでよいといったのに
娘がサンタに「開けていい?」と聞いたので
そのままデパートの床にサンタと娘は
座り込んで、赤いリボンを解いて中を開けてしまっていた。
わしはアルバイトサンタに
おもちゃに夢中になってる娘の隙を見て
消えてくれるように目で合図した。
そして娘はわし達を見て
「ねー、サンタさんって本当にいたよ!」と
興奮しておもちゃを見せるのだった。
わしはこの演出をしたのが自慢で
何度も娘にこの思い出話をした。
そのときの驚きを
娘はまだ覚えているという。
遠い遠い昔の
懐かしいクリスマスの思い出。
先立った妻との大事な想い出でもある。
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この話、「もういいよー」って言うくらい、
何度も何度も父に聞かされた話です。
でも、私もこんな純粋な時があったんだなあって
ちょっとうれしくて・・・
お恥ずかしいですが
両親の思いも重なって
大事な思い出の一つとなっています。
私はNaokiがその幼い日の私と同じころに
デパートにいた着ぐるみ着たお兄さんに頼んで
同じことをしてあげたら
・・・・・・・
Naokiはひきつけ起こすくらいの大泣き
「こわいー」って叫んで逃げまくり。
着ぐるみさん、ドン引き・・・
サンタならよかったのかなあ・・・
確かうさぎの着ぐるみだったと思います。
可愛い着ぐるみさんだったのに・・・
(にいたんはこわがりなんだよ!)トナカイ鉄子
鉄子と父のクリスマスコスプレのお話し
また書いていきますね。
チョロチョロと小出しですみません。
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