「パピヨン鉄子物語 その9」
はじめての病気
父の借りたおしゃれなおうちはみるみる酷いことになっていきましたが
父と鉄子は汚い部屋の中で
楽しく過ごしていました。
最初の注射をするまで外には出さないようにといわれていたので
父は外出もせず、鉄と家の中でごろごろしてました。
一番可愛いときなので何をしても許されてた鉄子でした。
さてその当時の父の日記です。
大変だったので
この頃の想い出はたくさん書いていました。
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長女と真っ赤な首輪を買いに行き
鉄にはめることにした。
しかし鉄は大暴れ。
二人がかりでなんとか首にはめてやった。
なかなか赤が似合う鉄だった。
が、鉄は嫌なものつけられたといって
しゃにむに足でかいて
取ろうとしていた。
気になって仕様がない様子。
3日くらいはこんな感じで
首輪を自分で外そうとしていたが
4日目にはもう自分の一部になったように自然にしていた。
この首輪は小さい鈴がついていて
鉄が動くとチリリンと鳴りどこにいるかわかるので
わしにはとても都合がよかった。
(首輪を気にしてかきかきする鉄子)
高齢の私のところにやってきた暴れん坊でお転婆のパピヨン。
飼育雑誌には「お年寄りにも飼い易いおとなしい犬」と書かれていたのは
きっと何かの間違いだと、思った。
とにかくじっとしていない。
まだ生後間もないのにすごい高速で家の中を走り回っている。
目を離すと玄関に行って靴の中におしっこをして
うんちを食っておったこともある。
わしの囲碁の会に持っていくかばんをかじって
おまけにしっこまでしてくれた。
長女は笑いながら写真とっていたが・・・
またちょっと目を放した隙に
2階に上がる階段を2段ほど登ってはピョンと飛び降りる遊びをしていたので
驚いて玄関や階段のほうへいけないよう柵をする。
また歯が生え始めると家のあちこちを噛む。ソファーも噛む。
一度ケージに入れて出かけたのに、なぜか脱出していて、柱を
ボロボロにかじっていた。
引っ越すときどうしたらいいか心配だったが
まあ長女が鉄の為に何とかするだろう。
長女は次女と中野ブロードウェイに出かけておもちゃを買ってきた。
この黄色の毛糸玉の形のピーピーなるのが気に入って離さなかった。
しかし、相変わらず可愛らしく、つぶらな瞳で憎めない。
夜中も私がトイレに行くと帰りを待っており、玩具で遊ぼうと、ケージの中から目で誘う。
夜中であるにかかわらず出してやり、可愛らしさに負け遊んでやる。
そして次の日は1日中眠いのだ。
当分の間続いたこの遊びに参った。
(Naoki 中学生)
しかし、家に着てから10日目に鉄がなんだかぐったりしている。
全く不安で何も手がつかない。
すぐさま長女を呼びペットショップ指定の所沢の病院へ。
そして「風邪です」との診断だった。
少し冷えた夜もあったので風邪を引かせてしまったらしい。
何だか、人間の新生児を育てている気分だ。
病院でもらったシロップの薬をシリンジで飲ませる。
甘いので喜んで飲む。
長女が薬を飲む鉄の顔がかわいい!かわいい!と言っていた。
この時期は、まだ免疫が無いので散歩にも出ていない。
家の中だけで過ごす日々。
私は外出もままならず長女が毎日様子を見に来てくれるのを
ひたすら鉄と一緒に待っていた。
また、どうしてもトイレのしつけがうまく行かず、家中がトイレだった。
うんちのせんべいを尻にくっつけた鉄と
神妙に長女が到着するのを待つのであった。
そして、風邪も治った頃から、いきなり酷い噛み癖の出た鉄に悩まされる日がやってくる。
あの頃を思い出すと今は笑い話だけど、当時は真剣に悩んだ。
さぶろー
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